長期でお世話になるつもりで毎月積み立てを行っている「おおぶね」の10月の月次レポートが公開されました。毎月読むのを楽しみにしているので、定期的に内容を見ていきたいと思います。
パフォーマンス
直近1か月のパフォーマンスではS&P500にちょうど1%ほど負けていますね。
保有しているSlim米国株式と一緒に基準価額が毎朝通知されるのですが、ここのところ負けている日が多いように思います。
直近1年とかで見るとまだ勝っています。
まぁド短期のパフォーマンスを云々言っても仕方ありませんが。
純資産額
資金流入は続いていますが、まだ27億です。もっと評価されていいファンドだと思います。
ちなみにマザーファンドは機関投資家向けのファンドと共通で100億円以上の規模があるようですし、 実質的な運用者である農林中金バリューインベストメンツ(NVIC) の本ファンドへの力の入れ様からすると、一部のブログで指摘されている繰り上げ償還リスクは小さいかなと思っています。
ポートフォリオ

前月から組入銘柄数に変化はなく、上位の顔ぶれもあまり変わっていませんが、Tiffenyが抜けてInternational Flavors & Fragrancesが入っています。
TiffenyはLVMH(バッグのルイヴィトンや洋酒のモエ・ヘネシーはじめ多数のブランドを傘下に持つコングロマリット)から買収提案を受けたことで株価は上昇しているはずなので、一部を売却したということだと推察されます。株価が高すぎると見ているのか、買収が成立しないと考えているのか・・・。
このファンドの大きな魅力は後に述べる運用コメントだと思うのですが、このような投資判断についてもコメントしてもらえるといいですね。
あと、一部ですが恒常的に先物を入れていますね。ファンドサイズ的に流動性は全然問題ないと思うので、個別株だけで運用してもらいたいところです。
運用コメント
NVICは、年間6回海外出張に出かけ、延べ70社以上の現地企業と面談しているそうです。
この運用コメント欄では、毎回その中から1社~数社を取り上げ、その会社との面談内容に基づく投資仮説の構築と検証、アップデートのプロセスを2~3枚に渡ってびっちりと書いてくれています。このコメントを読むことで、知らない米国の企業について知れるのはもちろん、プロの投資家の思考と判断のプロセスを垣間見ることができて、とても勉強になります。
今回は投資先であるNIKEについて、その競合企業であるAdidasのドイツ本社まで訪問したうえでの投資仮説のアップデートが綴られています。
先日の講演会でもお話しされていた内容ですが、まさに世界中を飛び回って企業を調査している様子がよくわかるエピソードだと思います。
(参考記事:イベント視聴「プロのファンドマネジャーが教える、投資信託で資産形成するなら知っておきたいこと」)
一部レポートから引用します。
”スポーツシューズは、運動時のパフォーマンスを向上させる機能材としての側面が強いため、トップアスリートに使ってもらうためには、シューズに 高い機能性があることが大前提となります。NIKEの創業者であるフィル・ナイトは、自身もかつては有力な長距離ランナーであり、伝説のコーチ とともに生み出したパフォーマンス向上のための様々なアイデアと、マイケル・ジョーダンに代表されるトップアスリートへの惜しみない投資によって、 スポーツブランドとしては後発であるNIKEを世界一のブランドに成長させました”(一部省略)
以前読んだ創業者の自伝「SHOE DOG」にもこの辺りのエピソードはたくさん出てきましたね。この本を読むまでは、アシックスがモノづくりの会社でNIKEはマーケティングの会社という印象を持っていましたが、随分印象が変わりました。根っこのところにアスリートへの強いコミットメントがある会社なんですね。
今回のレポートの中で、個人的には次の箇所が気に入りました。
”来年のオリンピックのマラソン開催地は札幌に変更になりましたが、恐らく多くの選手がNIKEのピンク色のシューズを履いて走ることと思います。当社のオーナーである皆様におかれましては、メダルの行方とともに是非選手たちの足元にもご注目ください。”
受益者こそがファンドの投資先の「オーナー」であるという考え方が表れていると思います。
たしかに最近駅伝とか見てるとピンク色のシューズ履いてる選手が多いですね。ストイックに機能を追求した結果、多くの選手に選ばれているということのようです。
これからもこの「おおぶね」を通じて、強い企業を保有していきたいと思います。
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