eMAXIS Slim米国株式が信託報酬を引き下げ・・・騒ぐほどのことに非ず

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現状、積み立てはストップしていますが、先月末時点のマイポートフォリオで地味に依然として最上位を占める「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」が、信託報酬率を「0.15%以内」から「0.088%以内」に引き下げました。

先日設定された「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」に合わせてきた形ですね。
ただ、原資産にかかる消費税の有無により、出来上がりではSBIの方が若干安くなるそうです。
へーそうなんだーって感じですね。

ここまで来るともう誤差の範囲なのと、逆にこれ以上の引き下げももう苦しいんだろうなと想像されるので、2年ほど続いた信託報酬引き下げ合戦もようやく終わりが見えてきたってことですかね。

私はもともと先発のiFreeで積み立て投資を開始したのですが、「この先ずっと業界最低水準」を謳うeMAXISが登場したときは、速やかに積み立て先を乗り換えました。その後、本質的に中身が同じものを2つ持つのは嫌だったので、タイミングを見てiFreeは利食ってしまっていました。

今ではそもそもS&P500への積み立てを停止してますし、この程度のコスト差であればわざわざ解約して(さ、幸いにも益はほとんど出ていないので税金はかかりませんがねっ)乗り換えようとも思いません。今後、S&P500への積み立てを再開することがあれば、そのとき考えます。


さて、この手のニュースに対する反応を見ていて常々思っているのですが、
「三菱UFJ国際さんグッジョブ!」みたいのはわかるんです。姿勢や行動に対する激励として。
でも、
「楽天VTIもヨロシク!」みたいのってどうなんですかね。

そもそも投資してるものが違うじゃんというのももちろんですが、
皆さん信託報酬の適正水準っていくらだと思ってるんでしょうか。

ロジカルに「S&P500なら何%、全米なら何%、アクティブなら何%以内が適正」っていうのが自分の中にあって、それに近づけていくべく企業努力しなさいっていう主張ならまだわかるんです。
が、それが無いままに「とにかく下げなさい!」っていうのはいかがなもんかと。

手数料水準をどうするかってのは、ビジネスモデルとして各社が自分で選択する話だと思うんです。 消費者の選択はその後に来るべきです。高いのが嫌なら買わなければいいだけ。
eMAXIS Slimは「業界最低水準の運用コストを目指す」のが後発組としてのビジネスモデルです。それで狙い通り残高は増えてるんだから、いいんでしょう。儲かっているかどうかは知りませんが。
他社は恐らく本来的にはそういうモデルではありません。全部は見てないけど。

そりゃ自分が持っているものの手数料が下がったら嬉しいですよね。
手間も税金もかからないし、NISA枠もそのままです。

でも、じゃあなんでそもそもVOOを直接買ってないんでしょう?理論的には最安のはずです。

それは、投資信託には投資信託のメリットがあるからですよね。
為替交換や買い付けの手間、外国源泉税の問題が無いという点でしょうか。

その便益に対してこの手数料なら払ってもいいと、一度は納得して買っているのですから、後からより低廉な商品が出てきてそのコスト差を看過できないなら、清々と解約して(税金も払って)、そっちに乗り換えるべきなんじゃないでしょうか。

その結果、淘汰が進んで一つに集約されるなら、わかりやすくなっていいじゃないですか。独占になったからって後から上げることもないでしょう。

自分が受け取っている、または将来受け取るはずの「価値」に対して、そこに付いている「価格」が適正かどうかを考えるのが投資家の醍醐味だと、私は思います。
また、投資信託の中には多くの企業が含まれており、彼らが営んでいるビジネスの成果として、投信ホルダーは資産増加(or減少)に浴することができるはずです。運用会社のビジネスモデルを無視して、とにかく安売りしろ、と求めることが果たして正義なのでしょうか。

もちろん、投信業界全体として、手数料を取りすぎている(過去はもっとひどかった)という点に異論はありません。

まぁとにかくこの手の話題もそろそろ終わりが近そうですね。
アクティブ投資ブロガーの夜明けは近いぜよ。

などと、うそぶいてみる。

(本記事で特定の誰かを攻撃する意図はこれっぽっちもございません。ひねくれ者なだけです)

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