コンテンツに学ぶ、コロナで変わるもの、変わらないもの

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コロナはパラダイムシフトをもたらした、と言う人がいます。
あのバフェットさんも「世界は変わってしまった」と言ったとか言わないとか。

そうでしょうか?

少し前になりますが、子供と一緒に「サザエさん」を見ていると、磯野家がGWにどこに行こうかですったもんだした後、動物園に行くという話でした。これを「緊急事態宣言下で不謹慎だ!」などと批判するのはナンセンスそのものというもので、サザエさん一家は、コロナ騒動なぞそもそもない世界線に存在するわけです。これを叩いている人が本当にいるのかどうか知りませんが、視聴者の多くを占めるであろう、毎週なんとなくサザエさんをつけるのが習慣になっている人たちは気にもしていないでしょう。

同じ週末に、子供が大好きな「クレヨンしんちゃん」を見ていると、ビビッドに世相を取り入れた内容になっていて、父ヒロシが在宅勤務をしていたり、田舎の祖父母とzoom的なもので会話したりする中でのドタバタが描かれていました。クレヨンしんちゃんはこれまでも、タピオカブームだとかソロキャンプだとか、その時々の時事ネタをよく取り込んでいます。今回はステイホームの啓蒙的意図もあったと思いますが、コアファンである幼児だけでなく、一緒に見ている親も楽しませようという意図を感じます。

かたやコロナがあろうがなかろうが、元々の世界線を堅持し、ファンもそれを許容する作品。
かたやコロナ(に限らずその時々の世相)を柔軟に取り入れながらファンの心をつかみ続ける作品。
いずれも数十年に渡り、そのやり方で愛され続けてきたコンテンツだからこそ、それが可能なのだと思います。

その一方で、「劇団ノーミーツ」のような、この時世だからこそ新しく生まれるコンテンツも存在します。
そして、既存のコンテンツの中には、人と人との物理的なつながりみたいなものを直接的に描いたような、コロナが起こった後となっては、白々しくて最早通用しない世界線で描かれたものもあるのかもしれません。

企業も同じかもしれません。

①社会や人々の生活にとって必要不可欠なものを提供している企業
②社会の変化を柔軟に取り入れながら変わっていく企業
③コロナ後の世界で新しく生まれる、または需要が急増する企業
④需要が消失、または変化に対応できず、衰退していく企業

足元の相場で最もリターンが高いのは、恐らく③でしょう。
Zoomに代表されるテレワーク関連企業などがその典型で、まだこれから生まれてくる新しい企業もあるのでしょう。ここに目鼻が効けばいいのですが、私にその才覚はなさそうです。
ゴールドラッシュにおけるツルハシ…とまではいかないまでも、偶々長期投資枠で多く保有しているシステム系企業群は緩やかな追い風を受けるような気がします。

長期投資を考えるのであれば、①または②を選択するというのが現実的でしょう。
いずれも確立された事業の強さがベースとしてあって、②はさらに経営者のかじ取りの手腕も見る必要があるかもしれません。
まさにコンテンツビジネスであり、コロナショック下で投資したブシロードには、この逆境をばねにするような、柔軟な事業展開を期待しています。

と同時に④を避けるというのも重要です。
私の保有企業の中で最もコロナの影響を受けるであろうは、パーク24です。人々が外出する、移動するというのが大前提の事業であり、固定費型の事業でもありますので、影響は大きいだろうと想像はしていましたが、先日発表された赤字見通しは正直想定以上でした。
では、コロナによって、「持たずにシェアする」という需要はなくなるのでしょうか?短期的には相当厳しそうですが、構造的な変化にはならないと想像しています。自分で車を持っていてつくづく思いますが、やっぱり持たない方が効率的ですからね。その場合の残存者利益を取れる立場にあるのが当社だと考え、いまのところ保有継続しています。
当面、要注意先として月次等を丁寧に見ていきたいとは思います。

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